関西医科大学 形成外科学講座

Kansai Medical University, Dept. of Plastic and Reconstructive Surgery

四肢再建

多指(趾)症、合指(趾)症、裂手、絞扼輪症候群、血管奇形などの先天異常は、適切な時期に手術を行ない機能的改善を目指しています。その中でも多指症、合指症、は比較的多い先天異常です。手の発生は妊娠のおよそ4週目頃からでき始め、7週目には5本の指に分離します。この時期に何らかの原因で、多指や合指などが起こると考えられています。原因は遺伝的な要因を含めて多くは不明です。多指症は手では出生1000人に対して1~2人、(足では0.5~1人)合指症では出生1000に対して0.3~1人みられます。多指の見られる部位は、手では親指に多く、足では小指に多く見られます、合指のある指は手では中・環指間、足では第2・3趾間の癒合が多くみられます。手の機能を獲得するうえで通常手術は1歳前後で行います。
多指症では骨の変形や腱の移行などを考慮し手術が行われます、合指症では分離した部位に植皮が必要となることがあります。

切断指をはじめとする四肢の外傷には労働災害や交通事故などの大きな外傷だけでなく、家や車の扉が閉まった時に指を挟み切断されるなどのケースもあります、それらの大きいものから小さいものまで24時間体制で救命センター、整形外科との連携により対応しています。
マイクロサージャリーと呼ばれる顕微鏡を使用して血管を吻合し血流を再開させる技術を用いて、手指切断などの再接着や、外傷や悪性腫瘍などで欠損した大きな皮膚軟部組織欠損に他の部位からの組織移植を行うことで再建を行っています。指尖部などの小さい組織でも再接着可能なことがあります。
手の機能獲得のためには神経再生が重要になります、神経損傷欠損に対しては自家神経移植をはじめ神経再生誘導チューブの使用よる再建や腱移行術などの機能再建術を行います。
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